ハイエースの車内DIYを調べていると、必ず行き着くのがイレクターパイプです。ホームセンターで手に入り、切って繋ぐだけで棚もバーも作れる——たしかに便利です。
ただし車の中で使うとなると、家具作りとは事情が変わります。走行中は揺れますし、頭の上に荷物を置くことになる。どこにどう固定するかで、安全性がまったく違ってきます。
この記事では、私がハイエースとプラドで実際に作ったものをまとめつつ、一番の分かれ道である「土台の作り方」について書きます。


結論:作り方より「土台」で決まります
- イレクターパイプ自体は切って繋ぐだけ。難しくありません
- 本当の分かれ道は車体のどこに、どうやって留めるか
- 分かれ目はその場所に「人が掴む前提の部品(アシストグリップ)」があるか。あれば流用でき、なければ穴あけが必要です
- 人がぶら下がっても大丈夫なくらいの強度があると安心して使えます
実際に作った4つ【各記事に手順があります】
まずは何が作れるのかから見てください。私がハイエースとプラドで実際に作ったのは、この4つです。作り方の手順と費用は、それぞれの記事にまとめてあります。
① サイドバー(ハイエース)|すべての土台になります
車内の壁面にバーを渡すDIYです。単体でもハンガーを掛けたり長物を積んだりできますが、本当の価値は次の天井収納を支える土台になること。荷室にはアシストグリップが無いので、穴を開けて台座を固定しています👇

② 天井収納(ハイエース)|荷物を頭上へ逃がす
サイドバーにメッシュパネルを渡して、天井を棚にします。ベッドの上から荷物が消えると、車中泊の快適さが一気に変わります。サイドバーの強度がそのまま効いてくるのがこの工程です👇

③ プラドでも作りました|こちらは穴あけなし
前に乗っていたプラド150でも、サイドバーと天井収納を作っています。ただしハイエースとは固定方法が違います。
プラドは7人乗りで、3列目にも強度の高いアシストグリップが付いていました。そこでグリップを外し、そのボルト穴にアタッチメントを付ける方法にしています。車体に新しく穴を開けていません。それでも十分な強度が出ました。
つまり後席に人が乗る車なら、穴あけなしで作れる可能性が高いということです。まずは自分の車の後ろを見て、アシストグリップが付いているかを確認してみてください👇

④ ベッドキットも自作しました(プラド)
「ベッドキットは高いから自作したい」という方も多いと思います。プラドではベッドキットも自作しました。製作費は15,000円、低床仕様にして車内の高さを稼いでいます。
市販のベッドキットを買うか、自作するかで迷っている方は、実際に作った側の話として参考になると思います👇

——ここまでが「何を作ったか」です。ここからはいちばん大事な「土台をどうするか」の話に入ります。実はこれ、車によって答えが変わります。
まず自分の車を見てください【アシストグリップの有無で決まります】
サイドバーを付けたい場所に、アシストグリップ(乗り降りのときに掴む取っ手)が付いているかどうか。ここで方法が変わります。
| その場所は | 付いているもの | 取れる方法 |
|---|---|---|
| 人が乗る前提の席 | アシストグリップ(人が体重をかけて掴む前提の強度) | ボルト穴を流用できる=穴あけ不要 |
| 荷室・荷台(荷物を置く場所) | 天井のクリップ止め用ステーだけ | 強度が足りない。穴あけが要ります |
ここで大事なのがバンかワゴンかです。ハイエースのバン(DX・スーパーGL)は、後ろが「荷物を積む場所」なので、荷室側にアシストグリップがありません。ワゴンやコミューターは人が乗る前提の車なので、装備がそもそも違います。
私のハイエースはスーパーGL(バン)なので、当然グリップはありません。あるのは内張りを留めるためのクリップ用ステーだけで、これは荷物を支えるための強度では作られていません。そのため穴を開けて台座を付ける方法を選びました。
一方、前に乗っていたプラドは7人乗りでした。3列目も人が座る場所なので、強度の高いアシストグリップが付いています。だからそのボルト穴をそのまま流用でき、穴あけは不要でした。
同じ人が作っても、車によって方法が違います。
グレード名ではなく、実際にその場所を見て何が付いているかで判断してください。アシストグリップがあるなら流用、無いなら穴あけ——これが一番シンプルな基準です。
なお、実際に人がぶら下がることはありません。ただ走行中は荷物の重さが揺れながらかかり続けます。アシストグリップと同じくらいの強度を目安にしておけば、まず不安がなくなります。

土台をどう作るか【ここが一番の分かれ道】
| 方法 | こんな車・場所で | 強度と手間 |
|---|---|---|
| アシストグリップのボルト穴を流用 | 後席にグリップがある車(プラドなど) | 穴あけ不要で強度も十分。使えるならこれが最善 |
| 穴あけ+台座 | 荷室でグリップが無い車(ハイエース スーパーGLなど) | 手間はかかるが確実。市販の台座を使えば加工は不要 |
| クリップ用ステーを使う(クリップナット方式) | どの車にもある内張り用のステー | 手軽だが強度不足。溶接が甘く耐荷重が低いため、すぐ壊れるという情報があります |
穴あけが必要な場合は台座が要ります。私は知り合いに作ってもらいましたが、一般の方には市販の台座(ベースブロック)が確実です。割高に感じても、ここは強度に直結するので削らないほうがいいと思います。
パイプやジョイント本体は、ホームセンターのほかネットでも揃います。必要な長さと部品番号は各記事に書いてあるので、そちらを見ながら揃えてください。


車検は大丈夫?「イレクターパイプ」と「セパレートバー」は別物です
「イレクターパイプでバーを付けたら車検に通らないのでは」と心配される方がいます。これはおそらく、2つのバーが混同されているのだと思います。
- この記事で作っているサイドバー:アシストグリップの位置に付ける収納用のバー。保安基準とは関係ありません
- セパレートバー(仕切り棒):運転席の後ろにある純正の仕切り。荷物が運転席側へ飛び出すのを防ぐためのもの
心配なのは後者だけで、しかもこちらは最初から付いています。ハイエースのような1ナンバー・4ナンバーの貨物登録車では、セパレートバーは保安基準に適合するための装備として標準で付いてきます。
⚠️ 外したままにするのはNGです。
貨物車の車検ではセパレートバーの装着が求められます。荷物を積みたくて一時的に外す方もいますが、外したままだと車検に通りません(不正改造の扱いになります)。車検のときは必ず元の位置(最前部)に戻してください。
そのセパレートバーは、テーブルの土台に使えます
ここで1つ、便利な使い方を紹介します。純正のセパレートバーを土台にして、セカンドテーブルを作りました。
イレクターパイプ用のジョイント「J-46」(バー固定用)を2箇所はめ込んでいるだけで、ネジも穴あけも使っていません。それでいてグラつきはゼロです。もともと荷物の飛び出しを受け止めるためのバーなので、土台としての強度は十分でした。
はめ込んでいるだけなので、工具なしで簡単に外せます。
車体には何も残らないので、車検のときに気になるなら外して持って行けば済みます。穴あけに踏み切れない方は、まずここから試すのが一番はじめやすいと思います。
材料費3,000〜5,000円・半日で完成しました👇


まとめ:イレクターは安い。でも土台だけは妥協しない
- イレクターパイプは切って繋ぐだけ。DIY初心者でも形にはなります
- 難しいのは土台。アシストグリップがある車は流用、無い車(荷室)は穴あけになります
- 市販の台座を買うのが確実。クリップナット方式は耐荷重に不安があります
- 後席に人が乗る車なら穴あけなしで作れることも(プラド7人乗りはボルト穴を利用)
- 純正セパレートバーは外さない。むしろ土台として活用できます
安く作れるのがイレクターパイプの魅力ですが、土台だけは安さで選ばないでください。頭の上に荷物を載せている、という意識が大事だと思っています。
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